冬休みの電子工作「ソーラーイルミネーション」2021年01月24日 19:40


去年の12月にソーラーイルミネーションを飾ってみたんですが、よく考えてみれば自作できそうです。
そこで・・・作ってみました。

最初に「どんなものにするか」を決めます。
・ソーラー充電式(太陽電池とニッケル水素電池の組み合わせ)
 充電制御は何もしない(太陽電池の出力電流が小さいので急速充電になりません)
・LEDの点滅パターンは1種類、チラチラとランダムっぽく光る

仕様が決まったら部品を決めていきます。
まず、いちばん大事なLEDですが、100円ショップでいいものを見つけました。
300円商品ですが、クリスマスツリー用のLEDで、50個が並列接続になっていて、カラフルなものと電球色の2種類がありました。


LEDの点滅回路は、以前にも作ったことがある「CDT3460」とドライバー用のトランジスタの組み合わせで作ることにします。
200mAぐらい流れるので、トランジスタは2SC2120を使います。

LEDはいろんな種類をつなぎたいので、電流制限の抵抗は10オーム、22オームの抵抗とジャンパーピンの組み合わせで、選べるようにしました。

太陽電池は秋月電子で、5V60mA出力のもの、電池はちょうどよさそうな3本パックがあったので、それを使います。


ニッケル水素電池の3.6Vだと電圧不足なので、昇圧DCDCを使って5Vで動作させることにしました。
夜だけ点灯するようにするので、CdSを使った光スイッチ回路を付けています。

太陽電池からNiMH電池への経路には逆流防止のダイオードと、(いちおう)過電流防止で抵抗を入れておきます。
ダイオードはVFが小さいSBDを使います。
3.6Vを5Vに昇圧するのは秋月電子にちょうどいいモジュールがあったので、そのまま使います。

基板は「電源(太陽電池から5V出力まで)」「LEDのドライバー」の2枚に分けて作ります。
それぞれがちょうど、秋月電子のD基板におさまります。
回路図からいきなり作れないので、「PaaS」で配線図を作ります。



太陽電池は「1枚の板」なので、自分でリード線をはんだ付けて、補強板に取り付けます。


基板別に動作確認します。
(小さい単位で作っていかないと、うまく動かなかったときにパニックになるので)

完成した「電源基板」がこちら

晴れた日に、太陽電池の電圧、充電電流(22オーム抵抗の両端の電圧から)を測ってみました。
思ったより電流(22オーム抵抗の電圧)が小さく、まる1日充電しても充電不足は確実なので、もう1個22オームを並列に追加しました。
これで約50mAなので、晴天ならある程度は充電できそうです。


こちらは「LEDドライバー基板」です。


LEDは2セット用意してあって、電池からの線を切って、XHコネクターを付けました。
ドライバー基板の出力もXHコネクターなので、組み合わせで色を変えることができるようにしました。


動いている様子は動画じゃないと見れないんで、ここにはアップできないんですよね。
せっかく手元にオシロスコープがあるので、波形を取ってみました。
L レベルのときに点灯します。(反対側のLEDは逆)

それぞれの動作確認が済んだら、つなぎます。
「CdSセンサーに入射する光をさえぎると点灯する」ことを確認したら完成になります。
透明なタッパーに収めます。



LEDが防水でないので庭には使えませんが、とりあえず軒下のベンチを飾ってみました。
カラフルなLEDを使っているので、色があざやかできれいです。
カラーと電球色の組み合わせもいいかもしれません。


この撮影時の設定だとLEDに200mAぐらい流れます。
50個並列なので、1個あたりにすると4mAになりますが、3.6V800mAhの電池にはちょっときついです。
(計算上ですが、満充電でも2時間半ぐらい・・・夜8時過ぎに消える)
LED基板のジャンパーピンで電流を調整できるので、少し抑制するとよさそうです。

作り方から飾るところまでをまとめてYoutubeに動画を出しました。
こちらからご覧ください。

この記事の内容は、あくまで個人の趣味で作っています。
回路設計と製作にあたって、安全性、信頼性、耐久性その他の配慮はしていません。
回路図その他情報の利用は、上記をご理解の上でお願いします。

路面電車の走る街(前編)2020年12月22日 19:40

今月と来月の2回に分けて、「路面電車の走る街」の写真を紹介していきます。
まず「路面電車」の定義ですが、今月分は「次の2項目の両方にあてはまる」としました。
 (1) 路面電車タイプの低床車両が走っている
 (2) 道路上を走る区間があって、道路上から乗降する「停留所」がある

札幌市交通局(北海道)
札幌市の中心「すすきの」を起点、終点として周回コースになっています。
以前はU字形でしたが新しい線路を建設して丸くつながりました。
「すすきの」のあたりは繁華街ですが、離れていくにつれて郊外の雰囲気になっていきます。





函館市交通局(北海道)
函館市は古い建物も多く、路面電車が似合う街です。
雪が降ると札幌と同様「ササラ電車」と呼ばれる除雪車が出動します。




万葉線(富山県)
富山県には路面電車が2か所で走っています。
高岡市は「加越能鉄道」でしたが赤字続きで第3セクターの「万葉線」に引き継がれました。




富山地方鉄道(富山県)
富山市は「富山地方鉄道」の路面電車が、富山駅の南側を走っています。
富山駅の北側には、「富山港線」を改築した「富山ライトレール」がありましたが、北陸新幹線で富山駅が高架になったスペースで駅の南北の路線がつながって、まとめて「富山地方鉄道」の路線になりました。
ここでは「富山地方鉄道」「富山ライトレール」それぞれの写真を紹介します。





福井鉄道(福井県)
福井には「福井鉄道」があって、福井市内の一部区間が路面電車です。
途中から普通の鉄道路線に変わるので、かつては電車の車体に折り畳み式の階段がついていました。
まは路面電車タイプの低床車両が全線を通して走っています。




豊橋鉄道(愛知県)
豊橋駅から北側には豊橋鉄道の路面電車が、南側には同じ豊橋鉄道の普通の電車が走っています。
最新の低床車のほか、都電や名鉄の譲渡車も走っていて、路線は短いですが車種は豊富です。




阪堺電気軌道(大阪府)
大阪の天王寺・あべの橋(あべのハルカスのすぐ下)から堺まで、南海本線と並走する路線です。
定期運行される電車では日本最古参、1925年製の「モ161」がまだ現役です。





岡山電気軌道(岡山県)
岡山駅前からの路線です。
アニメのキャラクターを模した車両とか、走っています。



広島電鉄(広島県)
広島市は、日本では最も路面電車が活発です。
メインは広島駅から宮島まで広島市街地を通って結ぶ路線ですが、ほかにも多数の路線があり、メインストリートではたくさんの車両が列を作って走る様子を見ることができます。
車種も豊富で、胡町の歩道橋から電車を眺めていると時間の過ぎるのを忘れます。




伊予鉄道(愛媛県)
伊予鉄道は路面電車つ普通の鉄道の両方を運行しています。
JR松山駅から近い「大手町」では、日本ではここだけ!の「路面電車と普通鉄道の平面交差」があります。
路面電車が踏切待ちをしている前を、大型の電車が横切っていきます。




とさでん交通(高知県)
以前は「土佐電鉄」でしたが、第3セクターになって存続しています。
高知駅前には、日本ではここだけ!の「路面電車どうしの十字クロス」があって、直進のほかどの方向からも右左折ができるようになっています。
高知市の市街地だけでなく、街から外れたところも走ります。




長崎電気軌道(長崎県)
長崎市も路面電車がにぎわっています。
有名な観光地を結んでいるので、長崎観光のときには欠かせません。
広島と同様に、次から次へと電車がやってきます。





熊本市交通局(熊本県)
熊本の路面電車は先進的で「低床車両」などの新しいものは最初に熊本で走っていました。




鹿児島市交通局(鹿児島県)
最南端の路面電車です。
今は鹿児島まで新幹線で行けるようになったので便利になりました。

「クリスマスローズの種まき」動画ができるまで2020年11月25日 20:10

Youtubeに「クリスマスローズの種採取から種まき」の動画を出しました。

「作ろう」と思ってから完成するまで、半年以上かかった「ある意味で『大作』」になったので、ここで「できるまで」を簡単に紹介したいと思います。

まず最初、先に出した「ポット上げ」の動画が思いのほか人気が出て、再生回数が増えていきました。
となると次作「種まき」にもちょっと力が入ります。

だいたいの構想を決めます。
「種がついた様子」「種取りの準備」「種取り」「種の保管」「種まき」という流れで作ります。
それぞれの段階で写真を撮って用意しておいて、種まきが済んだらまとめて動画にする、という計画です。

ということで、5月連休ごろから、「種がついた様子」の写真を撮ります。



種取りの準備でお茶バッグを花にかぶせるところも



この先は動画にあるので写真の紹介は省きますが、「動画に入りそうな」変化があったら写真を撮っておきました。
撮った写真はPC上でフォルダーを作ってそこにまとめておきます。
期間が長いので、スマホに置いておくと行方不明になってしまいそうです。



動画編集ソフトは「AVIUTL」を使います。
写真を順々に登録していって、尺(それぞれの写真を出す「時間」)を調整します。


この「尺の調整」がけっこう時間かかります。
1コマが短いと「何だかわからない」「せわしない」になってしまいますし、
長すぎると「動画全体の時間」が長くなってしまって、最後まで見てもらえなくなってしまいます。

ということで何回か、長くしたり短くしたり・・・
尺の調整をしながら、字幕を入れていきます。
字幕の文字の多いところは時間を少し長めにするとか、調整していきます。

注目してほしいところには○←とか、矢印をつけていきます。
作り方は単純で、「○←」という文字を、少し回転させて、短い表示を3回行っています。(青い矢印)


ほかの部分にも同じような演出を入れています。

そのほか、画面を拡大してみてほしいところは「ズームイン」するようにしました。
単に写真が変わるだけだとどこの拡大なのかわかりにくいのでは?ということで、ズームインで作っています。
(ちょっとだけ手間はかかります)


このほか、写真が大きく変わるところを中心に「シーンチェンジ」効果を入れてみました。
こういう「演出」を入れすぎるとくどくなってしまうので、様子を見ながら入れていきます。

最後に「チャンネル登録お願いします。」を点滅するように入れたら、映像部分は完成になります。
あとはYoutubeのライブラリーから取ってきたBGMとか「ピンポーン」っていう効果音を入れて、mp4でエンコードしたら完成・・・といきたいところですが、
全部通してみると、わかりにくいとか見ずらいとか、気になるところがあって、何回か直す・エンコード・ミルを繰り返します。
これでいいかな、と思ったところでアップロードして完成になりました。

こちらからご覧ください。
↓↓↓

前作「ポット上げ」のように多くの人に見てもらえればいいなと思っています。
次作も作成中ですので、お楽しみに。

上田交通「クハ290」Nゲージ模型を作る2020年10月27日 12:05

10月14日は「鉄道の日」なので今月は鉄道の話題です。
かなり前の話ですが「上田交通クハ290」のNゲージ模型を作りました。
最近見た鉄道模型の本に「東急5000系」の記事があったので、「まだ売ってるし、作る人もいる」ということで(ちょっと強引ですが)記事にしてみました。


元々はグリーンマックスの「東急5000系キット」を使います。
前後左右と屋根、床がバラバラの状態で入っているので、プラモデルの要領で組み立てます。
そのまま作るとこんな感じ・・・長野電鉄2500系です。


このキットには先頭車しかないので、運転台部分を切り落として、同梱されているパーツを使って「中間車」に改造します。
左右の壁と屋根板を直さないといけないのでそれなりに手間がかかります。


そこから「クハ290」にしていきます。
運転台のない側は貫通路をふさぎます。
先頭車を中間車にするときに使うパーツが余っているので、それを使って開口部を埋めます。
実物の「クハ290」も車体側面にあった窓をはめ込んでいるので、同じです。
平らになるように整形します。


運転台のあるほうはちょっと手がかかります。
まず運転席の横の窓は小さいので、横幅の半分を「プラ」板で埋めて窓を細くします。


前面は3枚窓ですが、左右はもとからあった窓の桟を取り除くだけにします。
真ん中は貫通路の開口を利用して上下をプラ板でふさぎます。
平らに整形します。


ヘッドライトは適当な余りパーツをくっつけて、ようやく車体が完成します。
実物の車両とは細部が違いますが、「それっぽい・・・」でいいことにして、これ以上は追求しません。


塗装は車体が「小田急アイボリー」「横須賀線の青」、前面の窓枠を実車に合わせて黄色に塗って完成です。
反対側もそれっぽくなりました。



別に作ってあった「モハ5250」には箱根登山鉄道の動力を組み込んでいますので、連結すれば走ります。



東急5000系のキットはまだ売っているみたいです。
お手軽に先頭車2両を組んで各地の譲渡車両にしてもいいですし・・・


ドア窓を拡大して「初期型」にしてみてもいいですね。


スマホ用のソーラーチャージャー2020年09月25日 18:45

防災グッズとして太陽電池のついたモバイルバッテリーを持っていますが、コンパクトな製品なので
晴天で40時間充電すると1700mAh
という性能です。
大雑把な目安として、5日ぐらい晴れた日が続くとスマホを半分充電できるぐらいです。
なので、気休めぐらいにしかなりません。

大型の太陽電池が載ったものも売られていますが、趣味も兼ねて自分で作ることにしました。



Googleとかで検索すると、大きめの太陽電池に「DCDCコンバーター(電圧を5ボルトに変換するもの)」をつなげばできそうです。
太陽電池の容量がそのまま給電できる電力になるので、少なくとも5ワット(5ボルトで1アンペア)はほしいところです。

いつもの「秋月電子」で材料は調達することにして、仕様を決めました。
・急速充電できるよう、出力電流は2アンペア(電力でいうと10ワット)
・入出力の電圧をモニターしたい
・USBの給電出力は2個

ということで用意したのは・・・
12ワットの太陽電池、DCDCコンバーターの組み立てキット、電圧計2個、USBコネクター2個、その他細かいものです。
太陽電池はコネクターでつなぐことにして、あとでいろんな種類を試せるようにします。



DCDCコンバーターの組み立てキットは部品点数も少なく、サイズも大きいので簡単です。
説明書の通りにはんだ付けしていけば完成します。
完成したら乾電池で9ボルトを入れて、5ボルトが出ていることを確認します。
全部の配線が済んだ後で「動かない」と悲惨ですから。




今回のように「組み立てキット+別の回路」で作るときは、追加する部分を別の基板に作って2枚の基板を線でつなぐのが一般的と思うんですが、それだと取り回しが不便です。
そこで、一回り大きい基板を用意して、そこに組み立てキットの基板を載せてしまうことにしました。

できあがりはこちら。
1枚の基板に作ったので、取り扱いやすい・・・と思います。


9ボルトの電池をつないで動作確認です。
5ボルトが出ていました。



実際に日光の当たるところでちょこっと試運転してみたところ、ちゃんと電圧計に数字が出てきました。
負荷をつながない状態で、入力は21Vぐらい、出力は5Vです。


充電はできるんですが、ちょっと日が陰って出力が落ちると充電が止まってしまい、出力が戻っても再開しません。
スマホ側の仕様でそうなっているんでしょう。
USBをいったん抜いてさし直すと充電再開しますが、それだと不便(というかめんどくさい)なので、スイッチを追加しました。
スイッチがオンなのかオフなのかわかったほうがいいということで、LEDを1個追加しました。

適当なケースに収めて完成・・・ですが手元にないので、とりあえずは「豆腐の空き容器」を使います。




この「豆腐容器」のまま、晴れた日に試運転してみました。
たまたまスマホの残量が8%だったので、フルになるまで充電してみました。



太陽電池パネルの日陰に置いていたんですが、それでも温度が上がってしまって途中でペースが落ちたので、スマホ本体を日陰に移動して継続・・・2時間半ぐらいでほぼ満充電になりました。



最終的には、100円ショップでみつけた箱に収納しました。
基板を固定する丸い穴、USBと放熱板を出す四角い穴、太陽電池パネルとつなぐスリットをあけて、ケースに収めて・・・やっと完成になりました。





当然ですが夜間は使えないので、充電用のモバイルバッテリーを買っておきました。
15000mAhなので計算通りなら6時間ぐらいで充電できるはずです。



これがあれば電源がないところに行ってもスマホの充電の心配がなくなります。
でも「電源がないところ」って、あんまりないですよね。
車で行ける所なら車から電源を取ればいいですし・・・

ついでに工作の小ネタを紹介。
100円ショップにあった、ドアを開けると点灯するセンサーライト(リードスイッチで磁石が離れるとLEDが点灯)を改造しました。
ボタン電池3個で明るくないので、明るいLEDライトをつなぐことにしました。

元のセンサーライトの基板にLEDライトはつながらないのでドライバー(といっても単純なトランジスタの2段増幅)を自作して組み込みました。
LEDライトは450mA流れるので、2SC1815と2SC2120を使います。

100円ショップには工作の材料がいっぱいあります。
時間がなかなか取れませんが。